はろーコンスタンティノープル!〜絨毯屋との出会い  第2話

土耳古2023

 イスタンブールに着いたらまずホテルまでどうやって行こうか迷った。ホテルは空港から車で20分くらいのところで市街からは遠かった。

 初めての1人海外旅で緊張していたところに空港の窓口を設けてる配車サービスの人に話しかけられた。今からホテルに向かい、キャリーケースとリュックをホテルに預け、そのままイスタンブール市街まで送る。そして夜の22時に市街に迎えにきてくれて、次の日の朝6時に空港まで送るという内容で4200TL(約25,000円)と言われた。まず自分のプランに合わせて配車をお願いするのが難しかった。学生だからと渋って値切った結果、20ユーロ安くしてくれてこの値段だった。他のところに頼めばもっと高いよ。あなたは良い人だし若いから騙されるよって言われ、クレジットカードで切った。やっぱ高かったなぁと、後悔で胸が締め付けられる思いで配車サービスの運転でホテルに向かった。

1人なのにベンツのデッカい車で後部座席が向かい席になって豪華仕様。1人には贅沢でもったいなかった。4人とかで乗れば1人6000円だし、その価値は十分にあるから詐欺ではないとは思えた。

ホテルに荷物を置いてイスタンブールのアヤソフィアの近くまで連れて行ってもらった。

 着いたら歩いてブルーモスクに向かった。歩いてると背の高くて若い男性のトルコ人に「Japanese?」と話しかけられた。少し英語で話してみると、HISのツアー客がイスタンブールに着いた時にHISのプラカードを持って待っている仕事(ツアー旅行参加したことあるひとならわかるはず)や通訳の仕事をしており日本語が喋れるらしい。「それならどうして今日本語で話さないのかって思ったでしょう?」と英語で言われて「確かに!」って日本語で言うと、「日本人はみんな英語使いたがるから」と流暢な日本語で返された。それはそうだな、、(笑)と何も言えなかった、、、25歳くらいらしく、同じ若い世代で「80年くらいの仲になる出会いかもね」って言ってくれた。

別れ際にLINEを交換して、今からちょっと用事があるから、ブルーモスクを見終わったら連絡して、チャイをご馳走するよって言われた。少し怖い気持ちもあったが、配車サービスの失敗を元に絶対に言い負かされないぞと意気込んでいた。せっかくだからチャイも飲んでみたかったし、連絡することにした。

ブルーモスクはすごく綺麗だった。無宗教の自分からすると建造物として見た時、教会よりモスクの方が好きかもしれない。

連絡をすると迎えに来てくれ、彼の親戚がやっている絨毯のお店に連れられた。そこでストレートのチャイを出してもらった。従兄弟も出迎えてくれた。絨毯の問屋さんをしていて、従兄弟さんは阪急デパートのトルコ展に展示したり日本の小売におろしたりしているらしく、従兄弟さんの方が日本語ペラペラだった。卸値に近い価格で買いたいという理由でわざわざ日本から買いに来る顧客もいるらしい。

とても親切にしてくれて、旅程のことを聞くと教えてくれた。カッパドキアの気球ツアーをまだ申し込んでないというとすぐそこの知り合いの代理店が信用できるよと教えてくれた。あと、ギョレメ(カッパドキアの街)で1日自由な時間があるというと、ギョレメはイスタンブールと違って交通手段が少なく、1人で観光できないと教えてくれた。また配車サービスの件も話すと、領収書から電話番号を調べた上で「詐欺ではないね、(領収書に)VIPって書かれてるからこれくらいの値段するよ。学生からしたら少し高いけど、お勉強代と思えば安いよ。それよりもこんな些細な事で君がこの旅を楽しめてない方が損だよ。」と流暢な日本語で言ってくれた。

トルコ人は遊牧民族であり、石や砂の上に座る生活だったため、絨毯を織る技術が発展したという絨毯の歴史を教えてくれた。良い絨毯の見分け方も教えてくれた。夏毛が良くて冬毛がイマイチらしい。冬毛は毛にも油が乗り、草木染めがうまく乗らないため色落ちが顕著だ。さらに夏になると油が揮発して臭い匂いがする。実際に今は夏だから嗅いでみると確かに違った。夏毛と冬毛は触り心地も違う。このように綴るとめっちゃセールスかけられてそうだけど、買う?みたいな事を聞いてはこなかった。

バブルの時代にペルシア絨毯が日本で流行ってすごく高値で取引されたから、絨毯というとものすごい高価なものっていうイメージがあるけど、ピンキリだよって言われたから、「安いのでどれくらいで買えるの?」って聞いた。しかしこの言葉が彼のスイッチを入れてしまった。たくさん絨毯を見せてくれた。ぜひ買って帰ると良いと思うと言われたけど28にイスタンブールに戻ってから考えると丁重に断った。

ここまで含めて日本人をよく理解したトルコ式のセールスなのかもしれない。

トルコ人は日本人のことをよく理解している気がする。とても親切で「人がいい」と褒めてくれて無理に商談を押し付けてこない。さすが交通の要所に住む民族だ。商売がうまい、、

別れ際に旅行代理店まで案内してもらった。ギョレメの1日ツアー(27日)と気球ツアー(28日早朝)と、気球のあとの11時の飛行機に間に合うようにホテルから空港までの配車をお願いした。全部で4万円くらい。1人旅行もいろいろ楽しいことをしようと思うと、どんどんお金がかかる。けど経験はお金に代えられないと信じてるよ。

1時間半くらい絨毯屋で喋っていたので旅を再開した。アヤソフィアの方に戻ると長蛇の列だった。並ぼうとしてるとまた「Japanese?」と話しかけられた。

今お祈り中で14時まで開かないから違うところ見た方が良いよ!と教えてくれた。そして近くのバザールでお店出してるからそこ見ない?って言われたのでキッパリ断った。モスクの情報を教えてくれてありがとう!

先にトプカプ宮殿に行った。豪華な武具や時計が展示されていた。疲れていたし広すぎて途中で飽きてしまった、、、また今度トルコに来た時に再挑戦したい。宮殿の庭からボスポラス海峡を一望することができる場所がある。景色に魅入っているとヨーロッパ系のカップルに写真を撮って欲しいと頼まれた。撮ってあげた後に、自分もお願いして雄大なボスポラスを背景にポートレートを撮ってもらった。

いい頃合いになったのでアヤソフィアに行った。すごく立派だった。いまはモスクだが、昔はコンスタンティノープル教会というキリスト教の中でも重要な教会だったのが感慨深く感じた。ここら辺の世界史はとても面白い。しかし、しっかり細部まで見られてなかったと少し後悔。

アヤソフィアの後、グランドバザールまでの道をスィミットというパンを食べながら歩いているとまた「Japanese?」と話しかけられた。スィミットとチャイが合うよ!チャイ飲んで行かない?と誘われてまた絨毯のお店に行った。Appleチャイとザクロチャイどっちがいいと聞かれて、Appleを頼んだが結局両方出してくれた。とても美味しかった。Appleチャイは酸味が強く、ザクロチャイはAppleよりマイルドで飲みやすかった。

イスタンブールの大学生で言語の勉強をしているらしい。家族が経営してるお店に連れてきてくれた。東京在住のトルコ人のおじさんが出てきてお話しした。人柄いいねとまた褒めてくれた。めっちゃ褒めてくれますねというと、人を見る仕事だからわかるよとうまく返された。

写真を撮ろうと言うと写真苦手といわれた。詳しく聞くと日本で俳優をしているらしい。確かにイケメンでめっちゃキアヌ・リーブスに似ている。写真はいつか仲良くなってから撮ろうと言われた。

絨毯買ったら?と勧められたが、もう行かなきゃとお断りしてお店を出た。グランドバザールでは高くて質が悪いから何も買っちゃダメと、チャイをご馳走になった2件の絨毯屋さんで言われたし、学生旅行なので何も買うつもりがなかった。そういう心づもりで見ているとあまり楽しくなく、目安が2時間と観光ガイドに書かれていたが、15分くらいで通り抜けた。

イスタンブールは区画があまり整理されておらず、坂の上下が多い上に路地裏が迷路のようになっていた。グランドバザールを通り抜けると、路地裏を歩いてリュステム・パシャ・ジャーミィという名のモスクに向かった。このモスクは街中にある穴場的なスポットで、青を基調とした綺麗な内装なのに人が少ないと観光ガイドに書いてあったので行ってみたかった場所の一つだった。入り口がとても分かりにくく、地元のお爺さん達に何度も聞いてやっと見つけた。建物はデカいが街に溶け込んでいて、本当に隠れ家のような場所だった。お気に入りのモスクだ。

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